抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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文化庁文化財部監修の『月間文化財』を一次資料とし,最初期の対象地である熊野古道,中山道の事例を通して本事業を明らかにした。和歌山の熊野古道における歴史の道事業は,地域が期待する整備事業で1978年より実施され15kmの区間の古道が整備された。区間内の町では3年程度の道の整備を行っており,文化財としての再生に重点が置かれていた。本来熊野古道は巡礼道であったが,歴史の道事業の成果で熊野古道を歩くという体験は観光客に訴求力のあるものとして受け入れられた。その後「熊野古道整備連絡会」が発足し2000年には史跡指定を果たしている。中山道の地域が対象となったのは妻籠宿が文化財に選定されており,近くにいくつかの宿場町もあり木曽路という歴史の道との関連で文化観光の地にしたいとの文化庁の思惑があった。中山道の整備は観光資源の拡張を促し,道だけでなく道沿いの建造物保存にもおよび,歴史を伝える空間として再生された。いずれの地域においても古道と関連する文化財が有形・無形を問わず明らかにされ,保全が約束されたことが最大の成果と言える。