抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海上技術安全研究所では,重点研究「実海域省エネデバイスの研究」の一部として「プロペラ一体型省エネデバイスの研究」を平成23年度から平成25年度にかけて実施し,船尾ダクト型省エネデバイスWAD(Weather Adapted Duct)を開発した。WADは一般的な船尾ダクトと同じくプロペラ前方に配置されるが,出口直径がプロペラ直径の50%以下と従来の船尾ダクトに比べて小型である。WADの省エネ効果は,適用する船型に依存するが満載状態で3%か5%程度の馬力低減が期待できる。また実海域での波浪中船速低下を模擬した高荷重状態では,通常状態よりも馬力低減率が大きくなる。WADを装備した船型の水槽試験結果を基に,WAD簡易設計法を開発した。蓄積された水槽試験結果からWADを装備する船型自体の性能とWADの効果の関係が明らかになり,WAD部分模型を用いた水槽試験によるWADの周方向の各部分が自航要素に与える影響が判ってきた。さらに重合格子等の導入により,WAD付き船型のCFDシミュレーションの精度も向上し定性的な評価が行えるようになってきており,模型船と実船の尺度影響についても評価が可能となってきた。キャビテーション性能については,試験の結果からは問題がないことが確認され,高荷重状態では,むしろ性能が改善することが判った。現在,WADは実船搭載のフェーズを迎えており,3船型21隻への装備が決まっている。