抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では,処分場のサイト調査・建設・操業・閉鎖段階で用いられる工学技術の適用により生じるバリア特性への影響を考慮したシナリオを構築する必要がある。安全規制の観点から工学技術の適用に関連したシナリオを構築するためには,地層処分事業に用いられる可能性のある工学技術の情報を把握し,それらの技術の適用に関連した事故または人的要因とそれらが閉鎖後の人工バリア・天然バリアの安全機能に与える影響との関係を整理しておくことが重要と考えられる。そこで本研究ではまず,地層処分事業で採用される可能性のある工学技術を,処分場のサイト調査・建設・操業・閉鎖の段階ごとにリスト化し,リスト化した工学技術の特徴,地下施設の製作・施工の作業手順や工学技術適用上の留意点についての技術情報を収集した。これらの内,工学技術適用上の留意点には,人工バリア・天然バリアの長期的な特性変化の理解に基づいて,安全機能に影響を及ぼすことが考えられる情報を記載した。それらの情報から,各工学技術に起因して生じえる人工バリア・天然バリアの設計上想定される状態から逸脱した状態(以下,逸脱事象)を特定し,その逸脱事象が顕在化した場合のバリア特性の変化,さらに安全機能の喪失・低下につながる影響の連鎖を作成した。さらに,逸脱事象に進展する可能性のある工学技術に関連した事故・人的要因を工学技術の施工手順の情報から特定した。これらの結果を基に,工学技術適用に関連した事故・人的要因によって生じる可能性が考えられる処分場閉鎖後の長期安全性に与える影響の連鎖をシナリオとして提示した。そして一連の整理の結果を,地層処分工学技術の適用に関連したシナリオ構築のためのデータベースとして整備した。(著者抄録)