抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
家庭用半開放型軸流送風機(半開放型プロペラファン)は羽根車の前後流の流れ方向がダクトによって制限される産業用軸流送風機と比べハブ比が小さく,羽根車前後の流れは入口・出口とも半径方向の速度成分を有し複雑な流れ場を形成する。半開放型プロペラファンに関する研究はこれまで騒音低減化に関する研究が多かったが,最近は省エネルギーの観点から効率向上にも関心が高くなっている。また,コンピュータ高性能化に伴う電子部品の発生熱増大に対応するため,小型冷却ファンの研究,狭隘場に設置された場合の性能や内部流動に関する研究も進められている。しかし,これら研究の多くは数値解析によるもので,それぞれ実験を行い解析結果の検証が行われているものの,量的に実験データが少ない。著者は半開放型プロペラファンの翼先端近傍流れに着目しこれまで多くの実験を行ってきたが,半開放型プロペラファンの入口では流れの方向変化が著しく三次元流れ場の明確化は困難であった。本稿では三次元流れ場を明らかにするため流れ方向を判別できるプローブを作成し流れ方向と速度を別個に計測した上でそれらのデータを統計的に処理することで入口三次元流れ場を明らかにする手法を採用した。この手法により明らかにされた半開放型プロペラファンの入口流れ場について述べた。結果的に,半開放型プロペラファンの入口の三次元流れ場を熱線流速計と流れ方向判別プローブを用いて明らかに出来ることを示し,計測精度や応答性に難があり詳細流れ場計測結果が示されないものの,大規模な流れ構造や流れ場の概略を明らかに出来た。