抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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静止液体(シリコーンオイル)中を沈降する単一の球状液滴(グリセリン水溶液)の内/外流速分布を時空間フィルタ流速計(SFV)を用いて測定し,界面活性剤の濃度の影響,およびマランゴニ応力の効果を評価した。初めに実験装置と方法の概要(SiCトレーサ粒子,界面活性剤トリトンX-100,液滴領域識別用蛍光色素添加,レーザシート照射による高速度写真撮影等)と,実験条件(液滴径,約8mm,レイノルズ数0.42~0.77等)を説明した。トレーサ粒子の散乱画像の輝度分布に対する時空間フィルタ関数の積の積分による時系列波形計算等のSFVの原理とデータ処理アルゴリズム,および液滴境界に適合する座標変換とフィルタ関数等を詳述した。界面活性剤のモル濃度が異なる4ケース(ケース1:界面活性剤無し,ケース2:1.0×10
-2,ケース3:2.5×10
-2,ケース4:1.0×10
-1(各モル/m
3))について,液滴内/外の時間平均流速分布,同周方向流速の半径方向分布,界面における周方向流速分布,および界面せん断応力の内/外差等の実験結果を図示した。考察により,1)ケース1における液滴内部の循環流が,界面活性剤の増加と共に内/外における非対称流動に変化し,ケース4で内部流動が消失すること,2)周方向流速分布はHadamard-Rybczynskiの式およびStokesの式と良い一致を示し,ケース2,3において各式に適合する二領域の切り替え点が界面活性剤濃度の増加と共に移動すること,および3)界面せん断応力の内/外差が界面活性剤のマランゴニ効果による応力を表し,ケース4では同効果により固体粒子と同様の境界条件を示す等の知見が得られ,SFVにより界面を挟む微小領域の微小流速を測定でき,界面せん断応力を評価できる見通しを得た。