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J-GLOBAL ID：201502263726569339   整理番号：15A0421618

科学の不定性と東日本大震災 トランスサイエンスとしての先端巨大技術

著者 (1件)： 平田光司 (総合研究大学院大 学融合推進セ)
資料名： 科学技術社会論研究  (Journal of Science and Technology Studies)
号： 11  ページ： 31-49  発行年： 2015年03月10日 
JST資料番号： L7777A  ISSN： 1347-5843  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 核物理学者のA.ワインバーグによれば,「認識論的に言って事実に関する問いなので科学の言葉によって表現されるとはいえ,科学によって答えることができないような問い」をトランスサイエンス的として,先端巨大技術をその典型例としている。本稿では,KEKB加速器における有限交差角衝突の実現までの経緯を,トランスサイエンス的な懸案事項を,専門家集団で議論はしたものの確たる見通しのないままに進めて成功した事例として詳述した。次いで,A.ワインバーグがトランスサイエンスの典型例として挙げた下記の5例についてKEKBの事例と対比して検討した。1)低レベル放射線被曝による生体効果,2)非常に稀有なイベントの確率,3)トランスサイエンスとしての技術,4)社会科学におけるトランスサイエンス的な問題,5)トランスサイエンスとしての科学の価値論である。最後に科学には不定性があることを前提としたトランスサイエンスにおける科学者の役割を論じた。

シソーラス用語： *科学 ,  先端技術 ,  *不確実性 ,  工場 ,  衝突型加速器 ,  衝突 ,  角度 ,  *震災
準シソーラス用語： KEKB【加速器】 ,  *サイエンス ,  交差角 ,  *東日本大震災 ,  *不定性

分類 (1件)： 科学技術一般  (AA01000H)

引用文献 (26件)：

• Brodzickal等 2012: J. Brodzickal et al. “Physics achievements from the Belle experiment“ Progress of Theoretical and Experimental Physics 04D001
• 藤垣裕子2010:「科学者の社会的責任の現代的課題」,『日本物理学会誌』vol.65(3),pp.172-80.
• 平川秀幸2005:「遺伝子組換え食品規制のリスクガバナンス」,藤垣裕子編『科学技術社会論の技法』p.133.
• Hirata K. 1995: “Analysis of Beam-Beam Interactions with a Large Crossing Angle“, Physical Review Letters, vol. 74, pp. 2228-31.
• 平田光司1999:「大型装置純粋科学試論」,年報『科学・技術・社会』vol.8,p.51.

タイトルに関連する用語 (6件)： 科学 ,  不定性 ,  東日本大震災 ,  トランス ,  サイエンス ,  先端巨大