抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
線香花火の燃焼温度は高々1400Kであり,黒体輻射によって発色する。国産線香花火の火薬には,松煙,硫黄,硝石の混合物である黒色火薬のみが用いられ,金属粉などは混入しない。著者らは2012年以降,長年の謎である線香花火の美の物理を明らかにすることを目的に,線香花火の高速度可視化計測を実施してきた。具体的には,火球と火弾を高速度カメラで詳細に可視化するとともに,二色温度法を用いることで非定常温度分布を計測した。これまでに得られた結論は,次の通りである。1)線香花火では複雑な反応性混相熱流動現象が生じる。2)火弾の放出と破裂に液体の微粒化が重要な役割を果たす。3)火弾は火球内部から放出される。4)花火の前半では,火球破裂時に,表面張力に駆動された流れによって液糸が伸長し,火弾が放出される。火球からのガス噴出は,火弾放出に直接寄与しない。5)花火の後半では,紡錘型の火球表面にできた多数の気泡が局所的に破裂して,多くの火弾が放出される。6)火弾の破裂原因は,火弾構成物質の吸熱分解に伴う液滴微小爆発の可能性がある。7)火球温度はK
2SとK
2C0
3の融点で決まる。8)火弾最高温度はK
2S0
4の融点で決まる。