抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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下北半島の陸奥湾北岸に位置する不備無遺跡から出土した縄文晩期前葉~晩期末葉の深鉢・浅鉢・壺などの土器破片10点について,胎土分析を行った。土器胎土を構成する火山ガラス粒子の化学組成をハーカー図上にプロットし,既存のテフラガラスのハーカー図と比較・照合した。全9元素の組成範囲が重なるガラスをそのテフラに帰属させた。5点は尾開山凝灰岩に,2点は十和田八戸テフラに帰属する。3点は金木凝灰岩・虹貝凝灰岩?・洞爺テフラまたは尾開山凝灰岩にそれぞれ帰属する。十和田八戸テフラと洞爺テフラは青森県全域に分布するが,残りの3テフラは津軽地域に限られている。土器5点は津軽地方で作成され,陸奥湾を隔てた対岸に搬入されたことが確認され,多種・多様な土器が流通していたことが判明した。しかし,晩期後葉以降の津軽地方製作とみられる土器は認められず,中葉を境に下北と津軽との土器移動が低調になった可能性がある。