抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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圧子押込み試験は,引張・圧縮試験に比べて簡便性があり,わずかな量の試験片で迅速に試験が行えるため,工業ユーザーが現場で行える材料物性取得手法として期待できる。本研究では,ロックウェル硬さ試験機を用いた圧子押込み実験で,実加工に用いる材料の端材(SAPH440)を使用した材料パラメータ同定の結果,材料パラメータの値は引張試験結果より同定した値と良く一致した。さらに同定した材料パラメータ値を用いた円筒絞りプレス加工のFE解析では,降伏応力を明確に定義した加工硬化則の値を用いた結果,実形状とFEモデル形状の寸法誤差が,板厚が減少する領域では3%以下と概ね一致し,実際のプレス加工工程設計の指標とすることができた。また,SUS304,およびA1070の材料パラメータ値同定の結果,本手法により同定した加工硬化則は,圧縮試験より得られた特性と概ね一致した。このように複数の金属材料において実用的な範囲でパラメータ値を同定できた。提案手法は広く普及している既存の汎用的な硬さ試験機へ適用・実装が可能であり,例えば製造過程の製品サンプルの一部でも試験が可能な,マイクロ~ミリオーダーの材料特性取得を目的とした迅速かつ簡便性の高い手法として実用性がある。