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J-GLOBAL ID:201502271922376703   整理番号:15A0222440

ヨーロッパにおけるAnguillicola crassus(トガリウキブクロセンチュウ)の急速進化:種鑑別形質は可塑的で進化的に不安定である

Rapid evolution of Anguillicola crassus in Europe: species diagnostic traits are plastic and evolutionarily labile
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資料名:
巻: 11  号: Oct  ページ: WEB ONLY 11:74  発行年: 2014年10月 
JST資料番号: U7029A  ISSN: 1742-9994  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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背景:1980年前後に台湾からヨーロッパに導入されて以降,ウナギ(Anguilla japonica)の自然寄生生物Anguillicola crassus(トガリウキブクロセンチュウ)はヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)を新規固有宿主として獲得した。ヨーロッパウナギを宿主としているA.crassusは,その体格および繁殖能力がアジア産同種個体とは顕著に異なっている。そこで本研究では相互移植デザイン下でのcommon garden experimentを行い,ヨーロッパ産個体群2集団とアジア産個体群1集団のA.crassusの間で,種鑑別に用いられる形態形質の差異が認められるのか,そしてもし認められる場合,それらは遺伝的に固定された要因を有するのかを調査した。結果:ドイツ産,ポーランド産,および台湾産のA.crassusは,体格,食道,および口腔のサイズおよび形状が異なることが判明した。これらの変化は表現型可塑性および遺伝的多様性の両方により誘発された。ヨーロッパウナギ体内でヨーロッパ産A.crassusおよび台湾産A.crassusはいずれも可塑的に反応し,ニホンウナギに寄生した場合と比較して体格および食道サイズが大きくなった。興味深いことに,食道に関しては遺伝的影響による大規模変化も認められた。この変化は,ヨーロッパウナギに寄生したポーランド産系統において最も大きかった。さらに,口腔のサイズおよび形態にも急速進化の影響が認められた。ポーランド産系統では,ドイツ産系統および台湾産系統と比較して口腔が大きくなるような進化が遺伝的固定により進んだ。ドイツ産系統は口腔が最も小さかった。結論:本研究では,約30年の時間スケールをかけて進化したA.crassusの形態形質の遺伝的多様性を示した。ヨーロッパにおいてヨーロッパウナギに寄生して生じたこれらの変化が,種鑑別の鑑別マーカーとして使用される特徴に影響を与えた。このように本研究では,寄生線虫A.crassusに関して報告されている形態的特徴と分子的特徴との間の,不一致に関する説明が得られた。一般に,新規宿主において発見される寄生生物の形態による鑑別では注意が必要である。(翻訳著者抄録)
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分類 (3件):
分類
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動物形態学・解剖学一般  ,  異種生物間相互作用  ,  進化論一般 

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