抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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建築・都市の色彩計画の専門家である筆者が,都内自治体の景観アドバイザーとして計画に関わってきて感じた最近の動向を述べ,魅力ある都市景観形成に向けた課題について考察した。建築の色彩計画におけるモノトーンブームは7~8年前から顕著になり,定着して久しい。沿道整備が本格化した新虎通り沿道で2010年以降に新築された建築物の外装色はほとんど白とダークグレーの2色配色を採用しており,新橋という歴史や界隈性の豊かな立地にあって,どこかよそよそしい景観が生まれつつあることに虚しさを感じると述べた。モノクロブームに代表される色彩表現の「時代性」が,地域の歴史的文脈や建物の用途・規模を超えるデザインの決定要因となっている点を指摘し,都市開発や建築設計に関わる人に「場所性」が現れたデザイン・色彩への考慮を促した。2020年オリンピック東京大会を機会に,東京の魅力である「多様性」を創りだす「場所性」を熟知したデザイナーの活用を行政,経済界に提案した。味わい深く多様性のある景観で来訪者を楽しませることが,東京らしいもてなしのスタイルであろうと結んだ。