抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2008年~2009年にフィリピンで重度急性呼吸器感染症発症小児からエンテロウイルスD68(EV-D68)を検出している。その後,EV-D68の検出数は世界各地で増加した。またEV-D68は再興性病原体として現在認知されている。しかしながら,EV-D68に関する疫学的特徴や臨床上の危険性については解明されておらず,そのウイルス学的特性も十分理解されていない。最近の研究は小児や成人患者における軽度上気道感染から致死的重度肺炎までの異なる重症度の急性呼吸器感染症患者におけるEV-D68検出を報告している。ある研究結果では,EV-D68検出率は上気道感染患者よりも下気道感染患者間で高いことを明らかにしている。これはEV-D68感染が重度の呼吸器系疾患の原因となる可能性が高いことを示唆する。最近流行株であるEV-D68は異なる抗原性を持つ特異的な3遺伝系統に分類される。しかし,遺伝的変異と集団発生出現率や疾患重症度間の関連性はよく理解されていない。過去の研究はEV-D68は酸に弱く,至適増殖温度が33°Cであることを明らかにしている。EV-D68はα2,6シアル酸に結合し,これら糖鎖が存在する上気道に親和性があると推測される。しかし,適当な動物モデルが存在せず,EV-D68の発症機序を包括的に理解することが難しい状態にある。Copyright 2015 Wiley Publishing Japan K.K. All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.