抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
1980年代,マスコミがセラミックスを各種機器の構造材として,また機能材として万能のような取扱いをした時代があった。1990年前後に,筆者はオールセラミックスのボールねじ,締結用ねじを試作し,構造材としてどうか検討した。本報では,ボールねじ開発研究について述べた。開発研究の結果は次の通りである。1)アルミナは気孔が大きいため,ボールねじを製作しなかった。2)サイアロンと窒化けい素によるボールねじを製作した。サイアロンでは,負荷試験で所要の寿命が得られたが,窒化けい素では十分ラッピングを行わなかったので,ナットねじ溝が負荷試験で摩耗した。3)その後,すべて窒化けい素よりなるボールねじで,ねじ溝表面粗さRa=0.05μm以下とする外径32mm,リード5mmのものを製作し,基本動定格荷重Cが鋼製ボールねじの10%程度のものを製作した。オール窒化けい素ボールねじでは,潤滑油によるEHLにより,「ともがね」という凝着はなかった。窒化けい素製ボールねじは,販売すると,1990年当時で,1本100万円位となろう。このような高価になった理由は,窒化けい素ボール1個が当時2,000円もしたうえ,ボールねじ溝もダイヤモンド砥石で研削,ラッピングしなければならないからである。