抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ブタノール水溶液の限界熱流束(CHF)は純水に比べ数b外大きく,沸騰媒体として優れたものであるが,従来の実験は水平加熱細線のプール沸騰及びミニチャネル内の流動沸騰に関して行っており,応用上重要な加熱平板については実験を行っていなかった。本実験研究では,水平加熱平板を用いて,過渡急冷(クエンチ)実験と,定常プール沸騰実験を行って,ブタノール水溶液の沸騰伝熱特性を調べ,その有効性を確かめたものである。実験の結果,急冷にあっては,水溶液濃度を変えることによって冷却時間を各種に変え,且つ冷却時間を大幅に短縮できること,また急冷点が2つ,つまり極大熱流束が2つ現れるという特異な現象が起ることが明らかになった。また定常実験からは,低濃度では限界熱流束の大きな向上(純水と比べ)は見込めないものの,濃度が高くなると水平細線の場合と同様に限界熱流束は2~3倍向上し,ブタノール水溶液は沸騰媒体として優れたものであることが追認された。(著者抄録)