抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アリは世界で11,000種知られており,このうち日本では10亜科62属296種が報告されている。アリは様々な環境に生息し,汚染や土地利用変化などの人為撹乱による環境変化や気候変動に敏感なため環境指標生物としても有用である。埼玉県のアリ相については,これまで寺山による一連の報告があるが,2000年代になってからの報告はない。そこで,本研究では,埼玉県の北部に位置する立正大学熊谷キャンパス内において環境のことなる2箇所(1)雑木林内の道沿い,(2)芝地,一部裸地において,2012年5月から2013年10月の間に,みつけどえり,リターふるい,土壌ふるい,蜂蜜トラップなどの手法を用いてアリを採取した。採取したアリは標本作成後,顕微鏡下で日本産アリ類画像データベース,および日本産蟻類の検索と解説を用いて同定し,5亜科21属27種のアリを確認した。これを北山の生息型に分類して,採取地の環境評価を行った。熊谷キャンパスは雑木林に囲まれていることから,これまで報告されている他の大学キャンパスよりも多くの種が観察され,本キャンパスの多様な環境が維持されていることが示された。また,アリ相の観察は,小中学校や高校の環境教育の教材としても有効なことを指摘した。