抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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陽電子放出断層撮影(PET)のすべての生物医学的用途は,事実上,放射性追跡子(radiotracer)の時変的分布を表現する画像を再構成することに依存している。PETにとって,最適ではないといえる画像化パラダイムにもかかわらず,細胞追跡アプリケーションにおいてますます使用されている。細胞追跡は,造影剤を使用して生体外で細胞をレベル付けし,生体内の時変的分布を画像化する必要があるが,既存の方法は,単一細胞の軌跡を追跡するには最適ではない。そこで,本論文では,PET測定から直接,個々の放射性標識細胞の時変位置を再構成することができる代替えのアプローチを検討する。代替のアプローチとして,化学工学の分野で研究され,陽電子放出粒子追跡(PEPT)として知られている技術がある。通常のPETとは異なり,PEPTは,断層画像を再構成することなしに,PET測定から直接,単一の移動ソース(源)の位置特定に最小距離アルゴリズムを使用し,コインシデンス(合致)事象を時間フレームに分配することにより,単一の移動する粒子の時変位置および速度の推定を可能にする。PEPTに関し,提案アルゴリズムでは,位置決めスキームを改善するために,時間変数の三次元Bスプライン関数として軌跡をモデル化し,軌跡と記録されたリストモードの合致事象との間の平均二乗距離を最小化する非線形最適化を使用する。A)まず,比較実験として,1,10,100,1000ベクレルのソースを有する標準リストモードの最尤推定・期待値最大化(ML-EM)に対して,逆投影と,合致事象を時間フレームに分配するフレームに基づく方法と,提案した三次元Bスプライン関数として軌跡を追跡する方法とを比較した結果,明らかに提案方法が優れていることが読み取れた。B)速度と活動度に関しては,2.5mm/sで移動する10ベクレルのソースおよび16mm/sで移動する100ベクレルのソースの両方について,目標とする3mmの平均誤差以内で位置の特定ができることが示された。C)Bスプラインモデルで使用される間隔数に関しては,追跡精度はソースの活動度および速度とは独立であり,スプライン間隔当たりのカウント数にのみ依存することが分かった。結論として,全身レベルで,生理学的に妥当な活動度および速度で,PETリストモードデータから直接,単一の移動細胞を追跡できることが示された。