抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東日本大震災後,環境教育が前提としてきた「やさしい自然(折り合える自然)」という捉え方に,「厳しい自然(抗いがたい自然)」という視点を付け加えることの必要性が指摘されている。震災を主眼とした場合,小学校において自然現象の恩恵と災いの二面性を学習する機会として,6年生理科の単元「大地のつくり」が考えられる。そこで筆者らは「大地のつくり」において,大地の営みがもたらす恩恵と災いの両面を学習する目的で,恐竜化石と地質フィールドワークを活かした授業を企画・実践した。本企画では,大地の形成されるスケールの大きさや,その営みに要する長い時間の尺度をフィールドワークにおいて実感し,恐竜化石を活用して子どもたちの知的好奇心を喚起する。そして最後に,東日本大震災を事例に大地の変化と自然災害の理解へと導くことを目標とした。授業は加東市立三草小学校において実践し,6年生児童21人に行ったアンケート調査の結果から,学習意欲を高める素材として化石の実物標本と恐竜の話題は効果的であると判断された。震災の話を意味あるものとするには,大地が変化することへの理解が不可欠である。それにはフィールドワークで実際に地層を見ることが効果的で,露頭見学に対する児童の評価は最も高かった。防災教育の拡充が求められる中,自然現象の恩恵と災いの両面を伝える教育が今後さらに重要になると考える。(著者抄録)