抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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インデンテーション法は,先端が尖った圧子を測定物に押し込み,そのときの圧子の押込み変位と荷重のデータから力学特性を評価できる試験法である。筆者の研究室では,自己相似形圧子(ここでは円錐形圧子)を用いて高温変形挙動を調査している。まず,1000°C近くの高温においてインデンテーション試験を実施することができる試験機(マイクロインデンター)をアドバンス理工(株)と共同開発した。本解説では,高温におけるインデンテーション試験を実施することができるマイクロインデンターの仕様と当該試験機を用いた実験手順を説明する。また,高温力学特性を評価した結果の一例を示す。マイクロインデンターの基本仕様は,最大荷重:4.9N,最高温度:1000K,変位測定精度:0.1μm(差動トランス)および0.3μm程度(非接触光学センサー),最大サンプリングレート:1000点/sである。有限要素法による計算機シミュレーションによれば,圧子下には歪みおよび応力分布が形成される。これは場所によって変形挙動(変形速度)が異なることを意味する。しかし,力学的性質の異方性が小さい,あるいは異方性があっても結晶粒径が微細な材料(圧子下に多くの結晶粒が存在する場合),においては,インデンテーション法によって一軸試験法で得られるクリープ特性値と同様な結果を得ることができる。