抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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江戸東京の大火被害を考察した。特徴的大火の第1は当時の江戸の大半が焼失した1657年3月の明暦大火で,災害拡大の要因は乾燥した天候と北西の季節風,数少ない橋の消失などとされる。大火後の幕府の防災施策は防火用空地の確保,道路拡幅,広小路・防火堤の設置,屋根材の防火性向上,火消制度などである。第2は1687年1月のお七火事であるが実態は明らかでない。第3は1772年4月の最大の延焼距離となった行人坂大火である。江戸幕府の防火対策について,幕府の防災上重要施設と火災被害の関係をエリア別消失面積分布を図示して考察した。それにより幕府は将軍と江戸城を守るために火除地・定火消を配置したこと,町人側では町火消,地下空間の活用で防災活動を行ったことなどの知見を得た。