抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年より予定されているIMOの窒素酸化物3次規制(Tier III)は,その適用が指定海域(ECA)に限定されるものの,Tier Iから80%削滅と非常に低い窒素酸化物排出規制値となっている。規制への適用技術として,陸上プラント設備やトラック等で実績のある選択触媒脱硝(SCR)による方法が期待されており,日立造船は,SCRシステムを適用した実機エンジンにおいて,Tier IIIの窒素酸化物排出規制値をクリアした。開発した舶用SCRシステムは,過給機の上流に蒸発器とSCR反応器を配置した構成となっている。排気集合管から出た排気ガスを蒸発器に導き,蒸発器にて,還元剤を噴霧・蒸発させる。反応器には,排ガスと還元剤の混合ガスが入り,反応器内にある触媒を通過する際,脱硝反応が進行する。処理後のガスは,過給機に送られ,タービンで仕事(給気過給)をしたのち,煙道を通じて,煙突より船外へ排出される。SCRシステムに使用する触媒は,シート状の基材にチタニア-バナジア系の触媒成分を含浸させ,ハニカム型の形状に成型した。開発した舶用SCRシステムを新造する就航船で実証を行うために,機関室のレイアウトを考慮して,本システムを搭載予定の舶用ディーゼル機関(6S46MC-C7)に組み込み,出荷前に工場の試験台にて機関性能や脱硝性能の確認を行った。実海域での運転による脱硝性能,操縦性やメンテナンス等の課題を把握すべく,海上での運航試験を行った。