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J-GLOBAL ID:201502286648816707   整理番号:15A0472029

溶液中におけるFe(CO)5の配位子交換ダイナミクスの軌道特異的マッピング

Orbital-specific mapping of the ligand exchange dynamics of Fe(CO)5 in solution
著者 (26件):
資料名:
巻: 520  号: 7545  ページ: 78-81  発行年: 2015年04月02日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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遷移金属錯体は,基礎的な化学反応性研究や太陽エネルギー変換への活用を目的として,長く注目されてきた。電子励起,金属中心からの配位子脱離,あるいは両者の組み合わせによって,金属サイトの電荷・スピン密度が変化する。光触媒による水素生成や炭素-水素結合の選択的活性化を目指して錯体を最適化するには,こうした電荷・スピン密度の変化を制御する必要がある。遷移金属錯体がどのように反応を触媒するか分子レベルで理解すること,特に反応に関わる寿命の短い反応性中間体状態の役割を理解することは,そうした最適化に不可欠である。しかし,電子励起状態を詳細に評価する適切な方法はこれまでなかった。今回我々は,フェムト秒分解能X線レーザー分光法と先進的量子化学理論を用いて溶液中で標準的な遷移金属錯体Fe(CO)5の反応ダイナミクスを調べ,COの光誘起脱離によって,これまで報告されたことのない励起一重項状態の16電子Fe(CO)4種(Fe中心の電子が不足している均一触媒)が生成されることを示す。この励起一重項状態は,サブピコ秒の時間スケールで,三重項基底状態に変換されるか,あるいはCOまたは溶媒分子と結合して5配位Fe種を再び生成する。この発見は,Fe(CO)5の光化学過程における異なるスピンチャネルの相対的重要性に関する議論を解決するもので,フェムト秒X線分光法によって原子特異的にフロンティア軌道相互作用を精査できることで可能になった。我々は,今回の手法が化学分野で広く応用可能であり,超高速過程の構造ダイナミクスを精査する方法を補完することになると考える。Copyright Nature Publishing Group 2015
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分類 (2件):
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鉄の錯体  ,  有機化合物・錯体のX線スペクトル 

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