抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
流れのシアーに引き起こされる物質のシアー拡散は,分子拡散と乱流(渦動)拡散に連なる第三の混合希釈過程として,当初は細いパイプや狭い水路の中の溶存態物質を対象に,水理学的な現象として関心を持たれてきた。シアー拡散が生み出す分散係数は,理論上,乱流拡散係数よりも大きくなる可能性もあることから,物質分散の概念はESTUARYや内湾などの環境流体中の物質輸送の解析にも適用されてきたが,分散係数導出のための基本的な条件を無視して取り扱われることもあった。本報告は,これまで解析されて来た分散係数を沿岸海洋研究者の立場で整理し,環境流体への適用性について考察した。その考察によって分散への懸濁物質の鉛直速度と境界層の相乗作用を示し,吹送流による赤潮プランクトンの水平分散の可能性を解析した。さらに,その解析から混合拡散代表時間の概念に着目して,瀬戸内海の一次元化拡散係数を生み出すプロセスについて検討した。(著者抄録)