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J-GLOBAL ID:201502286908715594   整理番号:15A0697899

氷上の青い血:制御された血中酸素運搬は南極の八腕類において低温補償と広域耐温性を促進する

Blue blood on ice: modulated blood oxygen transport facilitates cold compensation and eurythermy in an Antarctic octopod
著者 (5件):
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巻: 12  号: Mar  ページ: 12:6 (WEB ONLY)  発行年: 2015年03月 
JST資料番号: U7029A  ISSN: 1742-9994  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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序論:南極海は氷結温に近い過酷な温度であり,動物が活動や種々の基本的な生態機能を維持するには特殊な適応を必要とするが,豊かで多様な動物相を有している。酸素運搬能は温暖気候で熱耐性を決定する鍵であることが示唆される一方で,これは高濃度の溶存酸素量のために南極海の魚や甲殻類では制約が緩和される。他の南極の外温動物,特に豊富な八腕類のような活発な無脊椎動物が零度付近の温度に対応する仕組みは少ししか分かっていない。頭足類の高度に特殊な血中酸素運搬システムへの持続的依存は,低温での機能制限と一致するものと考えられた。よって本研究は,低温で酸素供給を維持する戦略を解明するため八腕類の中心的な酸素運搬成分である青色血色素ヘモシアニンを分析した。結果:異なる気候地域の八腕類での血中酸素運搬の適応補償を特定するため,南極地方のPareledone charcoti,オーストラリア南東部のOctopus pallidus,地中海のEledone moschataの八腕類間で,ヘモシアニンの酸素結合特性,血リンパ蛋白質と同様な酸素運搬能力,およびイオン組成を比較した。0°Cでの南極のPareledone charcotiでは,ヘモシアニンによる酸素放出は弱いが,高濃度溶存酸素により支持されていた。しかし暖かい水域の八足類に比べ低い酸素親和性と高い酸素運搬能力により,0°Cでもヘモシアニンは酸素運搬に有意に寄与していた。暖かい気温では,Pareledone charcotiのヘモシアニンは結合した酸素のほとんどを放出し,10°Cでの酸素供給を支えていた。暖水の八腕類では,増加する酸素親和性は低温でのヘモシアニンの酸素放出能を減少させた。しかしEledone moschataとは異なり,Octopus pallidusは15°C以下で増加を弱めた。結論:ヘモシアニンの生理作用とヘモシアニン濃度調節,高い溶存酸素濃度は南極タコPareledone charcotiで凍結温度近辺での酸素供給を支持した。暖温度でのヘモシアニンによる酸素供給の増加は,暖温耐性の延長とPareledone charcotiの広域耐温性を支持した。南極と暖水の八腕類での低温に対する限定的なヘモシアニン機能は,八腕類の制約的な耐寒性におけるヘモシアニン酸素運搬の一般的な役割を明らかにした。(翻訳著者抄録)
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分類 (3件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
動物の生化学  ,  血液一般  ,  動物に対する影響 

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