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J-GLOBAL ID：201502287554920469   整理番号：15A0756061

生体に関する磁性研究の最前線 渡り鳥の高感度磁気センサーを模倣したスピン制御の可能性

Spin Control Related to Chemical Compass of Migratory Birds

著者 (1件)： 岡芳美 (富山大 先端ライフサイエンス拠点)
資料名： まぐね  (Magnetics Japan)
巻： 10  号： 3  ページ： 140-145  発行年： 2015年06月01日 
JST資料番号： L5842A  ISSN： 1880-7208  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 多くの細菌,稙物や動物が高感度の磁気センサーを持ち,微弱な地磁気を利用していることが知られており,その磁気センサーの一つとして,青色光受容体タンパク質クリプトクロムが働いている可能性が示唆されている。クリプトプロムでは,フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)が光機能分子であり,ヘリックスドメインに埋もれた部位に分子間相互作用により結合している。FADが光刺激により励起され,このFADとアポタンパク質中のアミノ酸であるトリプトファン(Trp)の間に,一対のラジカルペアが生じ,微弱な磁界に対しその差を反応効率の差として検出されると考えられている。渡り鳥の渡りの方向決定にこれが用いられているらしいことが報告されている。そこでこのラジカルペアモデルについてのこれまでの実験的な研究,クリプトクロムの化学,および渡り鳥の磁気コンパス研究の現状と将来展望について述べた。

シソーラス用語： *センサ ,  光受容体 ,  フラビンタンパク質 ,  *ラジカル ,  *鳥類 ,  *磁気コンパス ,  機能 ,  分子間相互作用 ,  光ポンピング ,  ラジカル対 ,  効率 ,  アミノ酸 ,  窒素複素環化合物 ,  芳香族縮合化合物 ,  第一アミン ,  アルコール ,  アデニンヌクレオチド ,  ウレア化合物 ,  ジヌクレオチド ,  ビタミンB群
準シソーラス用語： クリプトクローム ,  光機能 ,  青色光受容体 ,  *地磁気センサ ,  渡り鳥 ,  反応効率

分類 (2件)： 光化学反応,ラジカル反応  (CF02090A) ,  磁気の計測法・機器  (AD07060U)

物質索引 (2件)： トリプトファン ,  フラビンアデニンジヌクレオタイド

引用文献 (35件)：

• 林久治:低温工学,38,530(2003).
• 伊藤公一(編):「分子磁性」(学会出版センター,1996)など.
• K. Schulten, C. E. Swenberg, and A. Weller: Zeitschrift für Physikalische Chemie, NF, 111, 1 (1978).
• W. Wiltschko, J. Traudt, O. Güntürkün, H. Prior, and R. Wiltschko: Nature, 419, 467 (2002).
• R. Wiltschko and W. Wiltschko: BioEssays, 28, 157 (2006).

タイトルに関連する用語 (9件)： 生体 ,  磁性 ,  研究 ,  渡り鳥 ,  高感度 ,  磁気センサー ,  模倣 ,  スピン制御 ,  可能性