抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高選択的なリグニン分解反応は木質系バイオマスの化学資源化に有用である。木質系バイオマスを構成するリグニンと多糖類の大きな違いは,芳香族性であり,大環状のπ共役系を有するポルフィリン錯体を触媒とする反応系は高選択的なリグニン分解を実現する可能性がある。これまで,ポルフィリン錯体によるリグニン分解の報告はあるが,そのバイオマスに対する分解挙動は,未解明な部分が多い。本研究では,高い酸化活性を有するマンガンポルフィン錯体を用いたバイオマス分解を,二次元NMRやMSで解析した。その結果,Manganese(III)tetrakis(N-methyl-4-pyridyl)porphyrin pentaacetateが非フェノール性リグニンモデルダイマーに対する高い分解能をもつことを見出した。また,この錯体を用いて木粉を分解したところ,H
2O
2存在下,130°C,30minの条件において,リグニンが除去され多糖類が不溶性残滓として残ることをHSQC NMRにより示した。現在,反応条件の最適化とより高活性な新規ポルフィリン錯体の合成をおこなっている。(著者抄録)