抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
変調伝達関数(MTF)は,X線に基づく医療画像システムの解像度性能を記述する定量的な計量として使用されてきた。コンピューター断層撮影(CT)技術,特に,平面パネル検出器の最近の進歩は,円錐ビームコンピューター断層撮影(CBCT)システムの利用を加速し,従来の二次元画像よりも患者の特徴的な容積測定情報および形態学的情報を与える容積測定三次元画像を提供する。しかし,CBCTシステムの空間解像度は,局所領域に依存して変化するので,容積測定三次元画像化に関わる空間的に変化するMTFは,CBCTシステムの解像度性能を評価して測定する必要がある。MTFは,無限小の点物体の再構成画像から計算することができるが,無限小の点ファントムを製作することは現実的ではない。そこで,線広がり関数(LSF)およびエッジ広がり関数(ESF)を使用する代替方法が展開されてきた。しかし,これらの方法は二次元MTFには有効であるが,三次元画像の指向性MTFを測定するには適していない。理由は,第一に,指向性MTFの測定にとって,ファントム整合は非常に重要であるが,所望の測定方向に対して正確に垂直にファントムを配置することが困難であること。第二に,再構成されたCT画像における雑音の存在がMTFを測定する際に困難をもたらすことである。これらの限界を克服するために,本論文では,まず,局所領域においてCBCTのFDK再構成をモデル化し,指向性MTFを測定する新しい方法を提案する。具体的には,1)元の座標系を回転し,2)理想的な球ファントムおよび再構成された球ファントムの平面積分を計算し,3)リチャードソン・ルーシー(RL)逆畳み込み法を修正してRL逆畳み込み法における非負制約を緩和し,4)これを適用して指向性平面広がり関数(PlSF)を推定する。提案方法を検証するために,理想的な三次元MTFをシミュレートし,それと,3つの主軸に沿ったシミュレーションおよび実験データにより測定された指向性MTFとを比較する。定量的な評価のために,測定された指向性MTFおよび理想的な指向性MTFの半値全幅(FWHM)と1/10値幅(FWTM)とを比較する。その結果,シミュレーションおよび実験データが提供する測定された指向性MTFは,理想的な指向性MTFと極めて良く一致し,提案方法の有効性が実証された。