抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,酪農場の多頭化に伴い,現場における疾病対策の視点は,個体レベルから群(ハード)レベルへと移行してきている。この変化は,最近四半世紀の間に酪農業界で起こった最も特筆すべきパラダイムシフトと言われており,生産性の向上を追求する現代の酪農においては当然の現象である。生産動物に関わる獣医師の社会的使命として,1)生産動物の健康維持,2)生産性の向上と維持(経済性追求),3)生産動物に対しての適切な飼養環境の評価(動物福祉),4)畜産公害の予防,5)人獣共通感染症の予防の5つが示されている。特に,大規模化する農場に携わる獣医師では,2)と3)の比重が大きくなってきていると言える。群レベルでの疾病を制御して効率のよい生産展開を図るためには,単に獣医学という一方向からのアプローチでは不十分であり,関連する多くの畜産学の分野から動物福祉学の視点あるいはコミュニケーション学も含めた多角的かつ総合的な取組が必要となり,その実践的な学問がハードヘルス学であり,ハードヘルスを展開するには,群に対する基本的なスキルやその評価法などの習得が必要である。