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J-GLOBAL ID：201502296700754060   整理番号：15A0744948

木材構成成分の酸性条件下での化学反応におけるカウンターアニオンの役割

Role of Counter Anion in the Chemical Reaction of Wood Components under Acidic Conditions

著者 (1件)： 横山朝哉 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
資料名： 木材学会誌  (Journal of the Japan Wood Research Society)
巻： 61  号： 3  ページ： 217-225 (J-STAGE)  発行年： 2015年 
JST資料番号： F0852A  ISSN： 0021-4795  CODEN： MKZGA7  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 塩酸,硫酸,および臭化水素酸のカウンターアニオンが,二量体非フェノール性β-O-4型リグニンモデル化合物(J)と糖モデル化合物メチルグルコシド(S)の酸性条件下での反応においてどのように挙動するのかについて,詳しく検討した。既往の知見通り,(J)のβ-O-4結合は,臭化水素酸の系で最速で,そして,硫酸の系で最遅で開裂することが,確認された。また,臭化水素酸の系では未知の機構でβ-O-4結合が開裂することが,そして,(J)から生成するベンジルカチオン中間体のβ-位から,水素が水素化物アニオンとしてカチオン中心に転移する機構が存在することが,初めて示唆された。(S)の反応では,20世紀中期からプロトン活量のみが反応速度決定因子であることが一般的に受け入れられてきたが,臭化物アニオンと塩化物アニオンが直接関与し,(S)の加水分解速度に影響を及ぼすことが,初めて強く示唆された。(著者抄録)

シソーラス用語： *木材 ,  *成分 ,  酸性 ,  化学反応 ,  *対イオン ,  リグニン ,  モデル化合物 ,  炭水化物 ,  *加水分解 ,  アニオン ,  開裂反応 ,  分解物 ,  酸処理
準シソーラス用語： *カウンターイオン ,  ヨウ素イオン ,  *加水分解反応 ,  酸性条件 ,  糖 ,  分解生成物

分類 (2件)： 木材化学  (FF05040V) ,  高分子の分解,劣化  (CG03010A)

引用文献 (41件)：

• 1) 飯塚堯介:2.2.リグニンの定量. “リグニン化学研究法”, ユニ出版, 東京, 1994, pp.21-25.
• 2) Pepper, J. M., Baylis, P. E. T., Adler, E.: The isolation and properties of lignins obtained by the acidolysis of spruce and aspen woods in dioxane-water medium. Can. J. Chem. 37 (8) , 1241-1248 (1959).
• 3) Gellerstedt, G., Pranda, J., Lindfors, E.-L.: Structural and molecular properties of residual birch kraft lignins. J. Wood Chem. Technol. 14 (4) , 467-482 (1994).
• 4) Cramer, A. B., Hunter, J. M., Hibbert H.: Studies on lignin and related compounds XXXVII. The ethanolysis of spruce wood. J. Am. Chem. Soc. 61 (2) , 509-516 (1939).
• 5) Hunter, J. M., Cramer, A. B., Hibbert H.: Studies on lignin and related compounds XXXVIIIII. Ethanolysis of maple wood. J. Am. Chem. Soc. 61 (2) , 516-520 (1939).

タイトルに関連する用語 (7件)： 木材 ,  構成成分 ,  酸性条件 ,  化学反応 ,  カウンター ,  アニオン ,  役割