抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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TIファージを0.165M塩化ナトリウム+0.1Mヒスチジン(pH7)の水溶液に浮遊させ(2x10
12ファージ/ml),窒素条件下で
60Coγ線を1.6Mrads/minの線量率で照射した。ファージのプラーク形成能力を調べるとともに,DNAを抽出し,DNAに生じた障害について検討した。DNAを障害は,沈降速度,粘性の変化に基づいて調べられた。DNAの分子量と粘性の関係は今までに知られているような比例関係にあり,低線量を与えた時にはその関係には変化はないが,高線量(350krads以上)では粘性のわりに沈降速度の大きいものがあり,分子がコイルを作っている部分が多いこと,すなわち架橋を多く作っていることが考えられた。このコイルはたんぱく分解酵素で部分的にとけるようであり,コートたんぱくが架橋に介入していることが暗示された。二重鎖切断およびDNA分子内の架橋(ファージ内で照射しているのでDNA分子間の架橋は出来ない)の数を分子量をもとに計算したところ,ヌクレオチド対,rads当りの切断数は3.0x10
-11個,架橋は切断の10分の1であった。DNAを変性させ一重鎖切断の数を求めたところ,37x10
-11語であった。プラーク形成能力と比較することにより,1個のファージを不活化するに必要なDNAの障害は,一重鎖切断が3.5個,二重鎖切断が0.17個,DNA分子内架橋が0.03個,DNAとたんぱくの架橋が0.06個であることが分った(山元こう二)