抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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還流などに用いる炭水化物液を滅菌するのに,最近では高エネルギー放射線照射をする方法が用いられている。当論文では,放射線滅菌をした炭水化物溶液を組織培養中の哺乳類細胞の培養液に加えた場合の効果を,高圧または高温滅菌をした液を用いた場合に対して比較している。用いた培養細胞はHeLa袖胞60およびマウスL皮膚繊維芽細胞を用い,対照の滅菌液は〓過により得た。放射線照射は
Coγ線によった。被照射の炭水化物溶液を培養液に加えた結果,これがin vitroの哺乳類細胞に対して毒性を持つ物質を含むことが判明した。一定時間後の細胞数の増大で調べると,1%のデキストロースまたはフルクトースに照射した場合,線量約10
5radで毒作用が最大になった。溶液中の炭水化の放射分解および熱分解については,これまでかなりの報告があり,この毒作用は放射化学反応により生成したヒドロキシメチルフルフラールなどによると思われたが詳細は未知である。この細胞毒性は一度生成すると熱に安定でかつ滅菌に用いる程度の高線量照射に対しても6か月以上安定であった。一方,オートクレーヴで滅菌したデキストロースおよびフルクトース液もいくらかの毒作用を示したが,生成した毒物の安定性が照射によるものより弱いようであった;図7表4参31(石川 統)