抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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米国国立原子炉試験所の「制御環境下の放射性よう素試験計画」は牛乳を通る食物連鎖における空気中と牧草のつながりを明らかにすることに大きく貢献している。ここでは,屋外では得られないような生理的条件にまで広げて牧草の気孔の開度を詳しく検討しながら空気中の
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2ガスの葉身への移行の実験を行った。は種後9ケ月のマンチャープロムグラス(Bromus inermis)を光,温度,湿度,風をコントロールしたチェンバーに入れて
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2ガスを一定時間与え,葉身に取込まれた
131Iの放射能を測定するとともにシリコンゴム押付け法によって気孔開度を測定した。一定強度の光条件下では気温の違いが最も大きく気孔開度に影響を与えた。単位面積あたりの移行
131IをQt(μCi/m
2),牧草の密度をD(g/m
2乾燥重量),実験中に与えられた
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2をQr(μCi)として移行係数Ptを,Pt=Qt/D・Qrという式から求めた。14個の実験値からPtと気孔開度Asの関係を求あたところ,α=0.01レベルの有意さで,Pt=2.21×10
-4+(4.60x10
-4)Asという関係が得られた。このことから,空気中から草への
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2の移行は気孔開度に直接依存していると考えられる。酢酸フェニル水銀を用いて気孔開度を変えることができるが,酢酸フェニル水銀を用いて気孔を閉じさせたものは,暗処理によって閉じさせたものの20から50倍も
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2を吸収した。また一度吸収された
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2の葉身内からの減少の半減期は,6.2日から34日と大きな幅があり,葉肉組織に入った
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2はそこに固定されるようである(渡辺昭)