抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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USDAのこん虫学部門のホノルル研究室では,重要な研究課題の一つに,ハワイから,アメリカ本土あるいはその他の地域への果物・野菜の移動に当り,こん虫類をもちこまないようにすることがある。上述した目的のため,化学薬品使用も考えられたが,化学薬品の機留毒性のため,放射線照射による防疫について検討を始めた。(1)最初の照射実験は,小型の
60Co線源により,1Ciから始めた。その後,次第に照射量は増加し,416Ciで果実またはこん虫の2.51を処理してきた。また,3000Ci,220000Ci,の線源の利用もできるようになった。(2)照射は,100~200kRでは,果実バエの幼虫のよう化を防ぐことができた。また,15~20kRを卵あるいは幼虫に照射すると,よう期で死亡させることができた。このことは,低線量で,効果をあげ得る道の開けたことを意味するわけで,野菜の中にいるこん虫類の処理に利用できるといえよう。(3)次に,こん虫の不妊化を照射によってはかり,果実バエの絶減をはかっている。現在まで,アメリカ本土からの旅行者の激増などによって,果実バエは過去37年間に約5倍にふえている。したがって,果物あるいは野菜からの果実バエの絶滅は重要なことといえる。(4)島国的環境の所では,害をなすこん虫類の絶滅は,地理的に隔離されているだけに大切なことである(北条良夫)