抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ウランは産状と花こう岩分化過程中の挙動という点で,Th,Zr,希土類などのグループとはっきり区別がある。産状:Uは地球化学的性質として第一義的にせんウラン鉱として晶出する傾向がある。岩石の副成分鉱物たるモナズ石,ジルコン,りん灰石などでは,Th,Zr,希土が主成分であってUは主成分にならない。分化の特性:地球化学的結合性の点で,Th,Zr,希土は親密な関係があるけれど,Uだけはそうではない。主要な相異は濃集が組織的な点であり,この他の両雲母花こう岩と黒雲母花こう岩とでの違いがその例である。この二つの花こう岩ではUの含有量が前者の方がはるかに高い。またせんウラン鉱も多く含まれている。Thは反対に後者の方が多い。鉱物共生関係の分化は白雲母の発達増加によって特徴づけられる。白雲母には希少元素類が増加する(すずとアルカリ希土),両雲母花こう岩はこの特徴をもっている。これに反して黒雲母花こう岩は酸性化とKの増加が特徴的である。結晶化学的要因:ここに問題とする諸元素は何れも強い重荷と特徴的なイオン半径をもつ。このためけい酸塩との結晶学的親近関係が欠如している。したがって吸着状態としてしかけい酸塩中に入れない。Uの分別結晶作用はその大部分が六価の状態でおこなわれる。このUの酸化状態によって,UとThの挙動の相異を説明することは合理的である。両雲母花こう岩中ではすずとUは共に豊富であって,すずおよびすずと共伴する諸元素とUとが類似性をもつことは,六価の状態に対応する結晶化学的特性によって,その挙動がコントロールされるものである。UとThのそれぞれの挙動の解析は簡単ではない。Thは時には早期分離をせず,酸性でアルカリ質の中で富化する。これは岩しょうに輝発成分多く,環境が好適なためであろう(永井二郎);表1参11