抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
電離放射線照射の腹水細胞の解糖に対する影響についての報告によると,解糖作用の減少は主として,NAD濃度低下によるものと思われた.この場合25.000r照射でNAD濃度に4・0%の低下があった.照射によるNAD減少の原因は未だ明かでないが,一面では,NAD合成系の障害が考えられるし,他方では,細胞膜透過性の増大又はNAD分解酵素の活性化などに基くNADの消失の促進を考えることができる.当論文では,NAD減少の機作解明の目的で,腹水リソパ球肉腫のポモジェネート中のNAD分解酵素の活性を調べた.X線照射は200KV,2OmA,線量率2000r/min で,冷生理食塩水中に懸濁した腫瘍細胞に対して行なった.NADは酵素的に還元し,350mμの吸収によって調べた.主な結果は以下の通りであった.被照射の腫瘍細胞をNADを含む液中でインキュベートすると,線量500r以上のとき,線量に依存してNADの減少があった.組織内NADに
32Pを取り込ませ,カラムおよびペーパークロマトグラフィで分離して調べた結果,2~120min のインキュページョンでは,被照射と非照射腫瘍細胞との間に取り込みの差がなかった.この結果から,NAD合成酵素系が阻害されている可能性は少ないと思われ,照射後の腫瘍細胞のNAD濃度低下は,NAD分解酵素活性の増大で説明されると思われた;図3表6参65(石川 統)