抄録/ポイント:
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電離放射線照射を受けても正常の動物では赤血球の寿命に影響を受けることがないのに,進行したがんを担う生体では照射によって赤血球の寿命に短縮が見られた報告がある.当論文では,担がんマウスの造血機能に対する照射の影響およびin vitroでの血液への照射の影響を報じている.
14C-グリシンで調べた結果,固形増殖性のEhrlichしゅようを持つマウス赤血球の寿命は,150~550radの
60Co-γ線全身照射で影響を受けなかった.しかし,550radの照射による骨髄の造血機能低下によって,ヘミンへの
14Cの取り込みは約20%抑えられた.また,550rad照射では血球1個当りの体積,ヘモグロビン量および血液量の減少があったが,150radでは血液量の減少のみであった.これらの変化は,主として,骨髄の機能低下との関係で起るextravasationおよびそれに伴う赤血球の崩壊によるものと思われた.150radの照射によって,細網細胞および白血球の量は明らかに低下した.ここで用いた基準に関する限り,担がんマウスの放射線感受性は正常のそれと大差なかったが,これまでの報告からみて,感受性はがんの進行の程度と関係が深いと思われた.また,担がんマウスの赤血球をin vitroで照射した場合も正常のものと感受性に差がなかった;図6表1参37(石川 統)