抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ペプチドを酸加水分解するとき起るラセミ化を定量的に検討するためトリチウム塩酸を用いた。分解したそれぞれのアミノ酸はフローセルシンチレーション計数管と直結したアミノ酸分析器を用いた。L-アミノ酸を用いてのテストにN-カルボキシアンヒドリドと反応させクロマト分析して検討した。その結果アラニン,バリン,イソロイシン,ロイシン,ゼリン,スレオニン,リジン,アルギニン,メチオニン,プロリン.ではD化は1%以内であった。アスパラギン酸その他のアミノ酸では側鎖に他に交換しやすい水素を有するためこの方法は利用できない。塩化重水素を用いたNMR実験によりイソブチル酸のような脂肪酸のα-水素は強酸の中でも容易に動かない。このことはα-カルボン酸に共役した酸がないためかも知れない。合成したL-ブラジキニンについて検討したところD-セリン,D-プロリン,D-アルギニンは0.1~2.8%であった。天然のブラジキニンAはD-ロイシン6.8%,D-アロイソロイシン15.7%を酸分解の結果含んでいる。このラセミ化の機構についても述べた(河野あきら)