抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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核物質による放射能障害の程度を論ずる場合に,その生体がうけた被ばく線量が問題とされる。それは,ある特定の時期にみられた蔵器線量でなく,臓器がその時までに吸収し,蓄積した線量が朋らかにされなければならない。著者は,このような観点から,
90Sr,
32P,
144Ceを用い,幼猫,ラクト,マウスなどに種々量を頻回または1回投与し,一定期間飼育後に屠殺し,大腿骨および骨髄,顎骨,歯,歯胚,唾液腺などの所要臓器を摘出して,通法によってcpmを求め,Qumbyの計算式を応用して著積線量radを求め,これと病理組織学的変化との相関について検索した。その結果,象芽質異常形成(オステオデンテン)は,10μCi/g投与群において,
90Sr2000~2400rad,
32P450~750radに出現した。象牙芽細胞の萎縮は切歯880rad,白歯337radで発現され,切歯6355rad,白歯1400radになると著明になる。歯髄萎縮は切歯1093rad白歯692radで出現した。また骨髄障害については,
90Sr投与例の場合,500radで細胞成分の減少が認められ,1000radで増強され,2000radになると,著明な減少と高度な造血組織の障害がみられた。以上要約すると,各臓器の病理変化は,そのrad値ときわめて密接な関連をもって現わされるが,同一レベルのrad値にあっても,臓器によってその表現程度にかなり差があるといえる。なお,これには生体の成熟,幼若あるいは臓器の完成,未完成などの生物学的条件が関係するものと考えた;図64表16参33