抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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DNAとその構成分子において,電離放射線により誘起されるラジカルの性質が問題になっている。そこでアデニン,グアニンの塩基およびその誘導体のヌクレオシド,ヌクレオチドと,放射線分解によらない方法で生成した電子との反応について研究した。さらにDNAとRNAを特徴づける糖デソキシ-D-リボースとD-リボースの場合もラジカルの生成位置という点から研究した。電子は77KにおいてFe(CN)
4-6イオンを水銀ランプで光分解させて得た。この電子は安定であり強度の青色着色を示した。そして電子常磁性共鳴では14Oe,g=2.0006の一重項スペクトルが観察された。プリン塩基とその誘導体の場合にも上記のスペクトルが観察されるが-100°Cまで温度を上昇するとそのスペクトルは消えて溶質に特有のラジカルに相当するスペクトルが現れる。アデニン,グアニンの場合それぞれ40Oeと39Oeの三重項スペクトルが見られる。アデノシンとデソキシアデノシンに関しては,-100°Cで5本線,-90°Cで3本線,-80°Cで一重項スペクトルがみられる。デソキシグアノシンとグアノシンではスペクトルに差異があるけれど,それはしだいに等しい構造の方へ移ってゆく。このスペクトルはHolroydなどがデソキシグアノシンモノりん酸塩の粉末と水素原子で照射した時に得たものに類似している(井上美や子)