抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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食品中のビタミン類の多くは,放射線を照射することにより破壊されることが知られている。しかし,照射時の条件を変えた場合のこれらの破壊の程度について調べた報告はほとんどない。この報告は,ビタミンE(トコフェロール)を飽却または,不飽和脂肪酸のメチルエステルに溶かした場合の放射線分解について調べた。被照射材料として,DL-α-トコフェロールを用いた。溶媒としては,鉱油のオレイン酸メチル,リノレイン酸メチル,ミリスチン酸メチルを用いた。照射は,15,000c
60Coγ線で行った。照射時の線量率は,1,4Mrad/hで行った。分析は,トコフェロールの自動酸化も考慮して,慎重に行った。照射実験の結果,希釈してないトコフェロールは25Mradでもほとんど分解しなかった。しかしながら,溶媒に希釈したものは,2Mradでも分解が著しかった。これら分解産物は,トコフェロールが自働酸化した場合に得られる物と,同じものであった。分解の傾向としては,鉱油や,ミリスチン酸メチル等の飽和溶媒中にトコフェロールを溶かして照射した場合の方が,オレイン酸メチルや,リノレイン酸メチル中に溶かして照射した場合よりも,より多く分解された。また,2.0Mradの照射では,トコフェロールの濃度が増加するに伴って,分解量も増加した。しかしながら,この増加は,トコフェロールの濃度が,飽和溶媒で0.5%,不飽和溶媒で0.1%までであり,それ以上は濃度が増しても,分解量はほとんど増加しないことがわかった;図2参6(松原尚生)