抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Al-Mg,Al-Cuなどの2元系アルミニウム合金について約350°C以上の高温で引張試験を行なうと新しいタイプの降伏現象が観察きれることを前報で報告した.本報ではこの高温降伏現象の機構を明らかにすることを目的とした.すなわち転位かそのまわりに形成きれたCottrell atmosphereを引きずりながら運動する過程を考え,理論的に変形の状態方程式を導き高温で観察された現象に対する満足すべき説明を与えられることを明らかにした.この種の転位の粘性的運動では,転位の運動速度を変化させるには大きな応力の変化を必要とする.したがって変形過程での転位の増殖に基づくflow stressの低下が著しい降伏現象として観察きれる.Cottrell Jaswanの解析を基礎として導いた状態程式と実験的に得た応力歪曲線との比較から計算した転位密度の増加過程は極めて妥当な結果を与えた.転位密度におよぼす歪速度の影響から影論的に予測された引張速度を急変せしめたときの応か歪曲線の形状の変化も実験的に理論的予測と一致することか確められた.また転位の溶質原子を引きずる粘性的運動が変形を律速するようになる臨界の温度を理論式から計算した結果も実験的に求めたこの降伏現象の現われ始める臨界の温度とよく一致し,理論の近似の程度もかなり高いことを示した。