抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ルチル構造FeF
2からの誘導体について,陽イオン秩序の欠如と磁気的秩序度を,広い温度範囲にわたってメスバウアー分光法で研究した。Fe
2+化合物FeCoNiF
6,Mg
2FeF
6およびMgFe
2F
6は無秩序なルチル相で,ネール温度は成分の金属二ふっ化物のそれらの加重平均である。陽イオンのまわりの局所的な環境が異なるため,超微細相互作用磁場は各化合物の平均値のまわりにI30kGのひろがりをもつ。混合原子価ふっ化物LiFe
2F
6は常磁性領域および磁気的秩序状態の両方で,Fe
2+とFe
3+とが分離したスペクトルを示し,これはそれぞれの酸化状態が完全で電子の跳び移りがないことを意味する。狭い線幅は陽イオンがトリルチル構造の中で幾何学的に完全に規則的であることに対応し,c軸方向の陽イオンの並び方はLi
+(Fe
2+↑)(Fe
3+↓)Li
+(Fe
2+↓)(Fe
3+↑)で全体として反強磁性であることがわかった。一方,トリルチル化合物LiMgFeF
6は四極子分裂の広がりから,c軸に沿って3層目ごとにFe
3+が並び,間の2層にはL
+とMg
2+とが不規則にはいっていると思われる。このモデルは,1.4Kでも磁気的秩序がなく,この温度および4.2Kでは磁気的に希薄なFe
3+イオンに特徴的な遅いスピンスピン緩和の効果が観測されたことから考えついた(大矢とし江)