抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中性子照射による黒鉛の体積増加は結晶格子寸法の減少すなわちdegraphizationによるとの結論が前のデータから得られたが,これを確認するため普通の原子炉用黒鉛からかる焼き石油コークスに至る黒鉛化度の異なった6種の試料について照射した。中性子束は(1.5-2)×10
13cm
-2sec
-1,全照射量は6.2×10
20cm
-2である。500°C以下の焼鈍では消えないような安定な火陥にとくに注目して照射温度を350~450°Cに保った。特性を測定した結果得られた結論は,(1)電気抵抗と熱伝導率の絶対値の変化は黒鉛化度に依存しないようであるが相対的変化は黒鉛化度の低い程小さい。(2)熱伝導率と温度の関係から照射による結晶格子の破壊は結晶格子境界または不純物と同様な効巣を熱振動の伝ばんに与えることがわかる。(3)照射が導電率に与える影響のメカニズムは電流キャリヤーに対する付加的なトラップの形成とみられ,これはホール係数の変化からも確信される。(4)この実験では体積膨張が認められなかった。常温で照射すると2,000°C以上に焼なまさないと消えないような非常に安定な膨張がおとることから考えれば,高温の照射ではradiation annealingがおこるものと認められる。すなわちある格子欠陥は熱と放射線を同時に受けると熱のみを受ける場合より相当不安定である;図2表1参1(村田一)