抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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土壌中でのウラン(U)の挙動を知る目的で,黒色火山灰土壌(クロボク),砂質土壌,ちゅう積土壌を用いて,Uの吸着と脱着に関する実験的研究を行なった。吸着量は,硝酸ウラニル溶液(1μg~10mg/ml)中に各土壌を入れ30分かくはんしたのちそのろ液中に含まれるUを分析して求めた。脱着量は,あらかじめUを吸着させた土壌を蒸留水,硫酸アンモン(5×10
-1M,1.4×lO
-3M),塩化カリ(1.34M,4×10
-4M),りん酸第2カリ(1.44M,2.8×lO
-4M)の溶液中で30分かくはんし,そのろ液に含まれるUを分析して求めた。U分析は透過式けい光光度計を用いる固体けい光光度法によった。各土壌のU吸着はU濃度が100μg/ml以下のときにはほぼ完全であったが,それ以上では吸着量は急速に減少し,特に砂質土壌,ちゅう積土壌でこの傾向が著しい。蒸留水による脱着率は,U吸着量が1mg/g土壌以下の場合各土壌とも0.5%以下であったが,5mg/gでは砂質,ちゅう積土壌で数%に達したがクロボクでは0.23%であった。各種塩数の希薄溶液による脱着率は,蒸留水による場合とよく似た傾向にあったが,比較的高濃度の塩数溶液による脱着率は砂質,ちゅう積土壌において著しく高く,高ウラン吸着土壌では30~75%に達したにもかかわらずクロボクでは数%以下であった。土壌のウラン吸着と脱着は,塩基置換容量とは関係がなかった(著者)