抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
質量分析計中で電子衝撃によって生じたイオンと中性分子の反応については多くの報告があるが,放射線化学においても大抵のイオンは100V以下の電子でつくることができるので原理的には同様の反応を考えるべきである。質量分析計ではよう素-メタン混合物から,CHnI
+(n=0~4)を生ずるが,これは電子衝撃によって生じたイオンがCHn
++I
2→CHnI
++IまたはCH
n+1++I
2→CHnI
++HIの式で示されるイオン-分子反応によってっくられるものと考えられている。しかしながら,CH
4I
+はよう素分子のイオン化電圧より1.3V高く,またメタンのイオン化電圧より1.6V高い電圧で生じ,そのイオン化収率平曲線は22V付近に幅広い極大をもつ原子の励起収率曲線に類似した田線であること,励起されたI
2+が活性エネルギーなしにイオン分子反応を起こしうることを考慮するとI
2++CH
4→CH
4I
++Iも考えねばならない。さらにI
2+は水,メタノールと反応してH
2OI
+,CH
4OI
+を生じ,よう素とアルゴン,クリプトン混合物からAI
+,KI
+が見出されることなどから,放射線化学においてよう素を遊離基補獲剤として使用する場合には,よう素イオンとのイオン-分子反応を顧慮することが必要である(藤堂)