抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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三塩化りんのI モルベンゼン溶液について,31P(n,γ)
32P反応で生じる
32Pで標識されたフェニルりん酸の収率におよぼす有機溶媒の影響を検討した.I モル溶液に相当する同量の三塩化りんを含むベンゼン-シクロヘキサンおよびベンゼン-四塩化炭素溶液をそれぞれアンプルに封入し,3×10
11n/cm
2・secの中性子束で2時間照射し,放射性りんを含む生成物をペーパクロマトグラフで分離し,放射能分布をG-Mカウンタで走査した.フェニルりん酸の収率はシクロヘキサンのモル分率が増すにつれて直線的に減少する.一方四塩化炭素ではフェニルりん酸の収率は混合組成から予想されるよりも大である.すなわち,シクロヘキサンは反跳りん原子のホットアトム反応に対して不活性溶媒として働らき,四塩化炭素は活性溶媒として作用する.この効果は反跳りん原子とベンゼン分子の衝突によって生じる反応の中間生成物の安定化の過程,および反跳りん原子のエネルギー損失の過程に対する四塩化炭素の影響によると解釈できる.反跳りん原子が減速されるのはおそらく りん原子の質量が塩素原子の質量と同じ位であることによるものと思われる;図6表2参2(荒谷 美智)