抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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放射線の小麦や小麦粉に対する作用として,殺虫や殺菌作用の他に,ベルギーやドイツでは放射線によって小麦粉の工業的生物化学的性質が改善されるという研究がある。フランス産の品質の異なる小麦についてその効果を検討した。5×10
5r以上の線量では小麦が褐変することが確められた。照射小麦をアルベオグラフで検討すると可そ性がよくなる。しかし10
6r以上では悪化する。これはグルテンが放射線によって変性するためである。ゼリー化の程度をアミログラフでみると,やはり10
6rから低下し,α-およびβ-アミラーゼの活性の測定を行なってみるとでん粉の構造の変牲が関係していることがわかる。10
6r以下で照射した小麦のパン発酵は普通に進行し,それ以上の線量ではCO
2の発生が減少する。5×10
4r照射した小麦粉は外見もよく,よいパンが得られる。1.5×10
5rになると異臭を生じ,2×10
6rの照射ではパンは緊密な匂いの悪い外被の着色したものとなる。生化学的硫究の結果,照尉によって小麦および小麦粉の糖には変化がなく,窒素化合物は5×10
5rで10%の三塩化酢酸可溶性たんぱくが増加する。脂質は10
6r以上で過酸化物の生成が多くなるが,それ以下の線量では衛かである。野菜に対しては,部分的殺菌とその酵素活性の低下による貯蔵性の増加が考えられるが,味,色,組織が悪変することが問題となる。しかし発芽抑制は処理線量10
3~10
4rで済み利用されている;図3表5参32(岡)