抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1963年以来発酵アルコール中の
14Cの濃度を液体シンチレーション法により測定してえられた知見についての総説である。発酵アルコールは,空気中のCO
2が光合成により固定された甘しょでんぷん,糖みつやハイテストモラセス中の糖を原料として発酵により製造されたものである。ゆえに発酵アルコールは核爆発実験により発生した
14Cの生物圏中の変化をよく反映すると考えられる。またアルコールが液体シンチレータに易溶である点も長所に数えられる。この研究の背景の,宇宙線によって発生する自然界の
14C量や,人工
14Cの成因である核爆発実験の種類,機構,回数,発生量などが説明され,また
14Cの生物学的影響として
14C標識クワ葉を与えたカイコの突然変異の発生率より遺伝的障害が指摘された。測定法の見地から,生物圏の各種の
14C測定試料の長短が論ぜられ,特に装置の進歩と共に改良された液体シンチレーション測定法が詳述されている。最後に100近い試料の
14C測定値をヤマジソやハッカの植物精油の測定値と比較しつつ,結果の解析や知見が紹介されている(著者)