抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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原始地球における有機分子の進化の過程で,生起したであろうという仮定に基づいて,原子炉で照射した
30Siから生じた
31P核と
14C-アデノシンとの化学結合を調べた。まず試料(
30SiO
2)25mgをKURの水圧輸送管において,熱中性子束8.0×10
13n,cm
-2.sec
-1.で10時間照射し,直後に5μCiの8-
-14C-アデノシンを加えて2日間これを放置せしめて
31Siの崩壊を完遂せしめた。遠心によって上清部分を集め,キャリヤーを加えて二次元のペーパクロマトをおこない,ラジオオートグラフをかけると,2,3および5AMPの位置に,
14Cによる放射能を検出することができた。すなわち,
31Siの崩壊によって生じた
31P核がアデノシンと結合してこれらの生成物ができたものと考えられる。このような有機反応が原始地球においておこなったであろうと考える根拠として,著者らは以下の三つの事実を挙げている。1.相当量の速中性子が今日もなお,我々の周辺に宇宙線としてふり注いでいること。2.水は速中性子の非常に有効な減速剤であること。3.土壌中にはSiが最も多量に含有されていること(著者)