抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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E.coli(W3110,thy
-,niacin
-)のナイアシン欠乏の条件下での放射線感受性について実験を行なった。37°C下で1夜グルコース塩培地(チミン,カザミノ酸,ナイアシンを含む)中で生育させた大腸菌またはナイアシンを含まぬ培地で生育させた大腸菌を遠心で集め,0.067Mりん酸バッファー(pH7)中でγ線(
60Co,90Krad/hr),または殺菌灯(10erg/mm
2/sec)で照射した。照射後酵母エキストリプトン(YET)寒天培地にプレートし,一夜おいてコロニーの数を調べた。ナイアシンの欠乏によりγ線に対する感受性は2~3倍に増加した。しかし紫外線に対する感受性には変化はみられなかった。Paulingらはリガーゼの欠乏している変異株においてはUVにもX線にも感受性は増加することを示している。ナイアシン欠乏によりリガーゼの活性が無くなることを考えると,Paulingらの結果と本実験の結果の差はリガーゼの欠乏が一時的であるのかどうかという遠いを反映したものであるようだ。プリン欠乏の場合にもX線に対し感受性が増し,UVに対しては感受性を変化させないことが知られている。ナイアシンおよびプリン欠乏による感受性の増加には同じようなメカニズムが働いていることが予想される(山元こう二)