抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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紀伊半島東南部に広く分布するけい長質の火成岩体は熊野酸性火成岩類とよばれ,下部より順に(a)神ノ木流紋岩,(d)凝灰岩,(c)花崗斑岩の3岩体に分けられる.これら岩体の噴出様式について,(1)地表噴出か(2)地下貫入かよくわかっていないので,野外観察事項に合致するようにしてその様式のモデルを考えた.すなわち,(a)はほとんど陸化した熊野層群の堆積盆地中央部付近に噴出した溶岩流であり,その表面風化後に大規模な割れ目などから多量のガスおよび火山灰が噴出し,基盤岩石を流動する高温火山灰中にとり込まれ,上に開いたじょうご状火道をマグマがふさいだ.その体積はおそらく400km
3をこえ,南と北に2つの大溶岩湖を形成した.溶岩湖はかなり急速に冷却し,現在に至るまでその大部分は陸上にあって侵食され続け,起伏の大きな地形が生じた.このため,溶岩湖の表面部は削り去られ,現在各地の露頭にみられるのは周囲の岩石に対して急角度の貫入関係としてあるいは低角度のdiscordantな境界面としてである.したがって,本岩体の産状は(1)が主体を占め,(2)もみられることになる.図22.